屋根裏の調査

皆さん、ご本堂の「屋根裏」はご覧になったことはありますか?
住宅ですと、屋根裏部屋があったりして、
物置として使われていたり、
設計によって部屋として使われるようにしていることもあります。

屋根裏調査の役割

ご本堂に於いては、「屋根」は意匠を決める重要な役割を持っており、
大きな屋根を支えるための構造体の集合のため、
その空間を活用するということはほとんど見られません。


御寺院様より「雨漏りがしているから見て欲しい」と連絡があると、
まずは外観と室内の目視と、屋根裏に上がらせて頂き確認させて頂きます。
屋根裏にあがると、大抵雨漏りの原因は掴めるものです。

「雨漏り」または「獣害」

雨漏りは、瓦の隙間や壁の隙間から、
雨水が入り込んでしまっているのですが
獣害は、ハクビシン等が屋根裏に住み着いて、糞尿をしてしまい、
室内からは雨漏りしているように見えています。
この場合、屋根裏には木の実などの食事の跡や
木の葉や糞尿などの痕跡があるので、一目瞭然です。

写真からもわかるように、屋根裏はかなり埃っぽいです。
屋根裏の調査中は、真下がご本尊様に当たるため、
細心の注意を払って行います。

また、目的が雨漏りの調査だとしても、
屋根裏の配線の老朽化や漏電を発見することもあります。
火災を招きかねませんので、早めの対処が必要となりますね。
事が大きくなる前に発見できることもあります。

建立当時の施工状況や浮かび上がってきます。
本来であれば、もっと厚みのある木材が使われていなければならないのに、
薄い野地板で施工されている、あるべき柱や木材がない。
経年の劣化でホゾが浮いてしまっていたり、
雨漏れにより木材が腐食してしまっているなど。
本来は、あっては成らないことですが、
発見したことでどう対処していくかの改善方法が導き出せます。

棟札の発見

このような不具合の特定が出来る場合もあればこんな嬉しい出会いもあります。

上棟の際に取り付けられた「棟札」。
設置年月日や当時のご住職名、工事業者名(大工・棟梁など)
工事の目的、工事名(新築・遠忌改修など)、当時の建設委員と
多岐にわたります。

設置する場所は、棟木に打ち付けます。
先代やそれ以前に事業をされた場合ですと目にしたことがないものですし、
記録にも残されていないものかもしれません。
このような貴重な瞬間に立ち会わせて頂くこともあります。

このように、屋根裏の現状調査で、
御寺院様にとって大切な歴史を紐解くような発見をすることもあります。
もし、気になる事がありましたら是非、お尋ね下さいね。