日本で暮らしていると「宗教」という概念を意識しないほど、仏教・神道というものが生活(文化)に溶け込んでいると感じます。
今回はお寺、神社の数をまとめてみました。
※集計にあたっては、文化庁がとりまとめている「宗教年鑑(平成28年度版)」を参照しています。
【目次】
1.全国のお寺、神社の数
2.都道府県別のお寺、神社の分布比較
3.人口あたりの寺院・神社の密度が高い都道府県
1.全国のお寺、神社の数

先ずは全国47都道府県別の、お寺、神社の宗教法人数です。
寺院(仏教)が、75,798ヶ寺
神社(神道)が、81,073ヶ社
|
寺院数
(宗教法人数) |
神社
(宗教法人数) |
全国 75,798ヶ寺 |
全国 81,073ヶ社 |
01 |
北海道 |
2,295ヶ寺 |
791ヶ社 |
02 |
青森県 |
460ヶ寺 |
885ヶ社 |
03 |
岩手県 |
624ヶ寺 |
868ヶ社 |
04 |
宮城県 |
933ヶ寺 |
945ヶ社 |
05 |
秋田県 |
677ヶ寺 |
1,146ヶ社 |
06 |
山形県 |
1,476ヶ寺 |
1,746ヶ社 |
07 |
福島県 |
1,521ヶ寺 |
3,058ヶ社 |
08 |
茨城県 |
1,267ヶ寺 |
2,490ヶ社 |
09 |
栃木県 |
979ヶ寺 |
1,915ヶ社 |
10 |
群馬県 |
1,196ヶ寺 |
1,214ヶ社 |
11 |
埼玉県 |
2,213ヶ寺 |
2,022ヶ社 |
12 |
千葉県 |
2,975ヶ寺 |
3,184ヶ社 |
13 |
東京都 |
2,808ヶ寺 |
1,456ヶ社 |
14 |
神奈川県 |
1,871ヶ寺 |
1,143ヶ社 |
15 |
新潟県 |
2,774ヶ寺 |
4,743ヶ社 |
16 |
富山県 |
1,579ヶ寺 |
2,282ヶ社 |
17 |
石川県 |
1,363ヶ寺 |
1,889ヶ社 |
18 |
福井県 |
1,674ヶ寺 |
1,713ヶ社 |
19 |
山梨県 |
1,482ヶ寺 |
1,284ヶ社 |
20 |
長野県 |
1,537ヶ寺 |
2,460ヶ社 |
21 |
岐阜県 |
2,259ヶ寺 |
3,272ヶ社 |
22 |
静岡県 |
2,588ヶ寺 |
2,847ヶ社 |
23 |
愛知県 |
4,566ヶ寺 |
3,356ヶ社 |
24 |
三重県 |
2,322ヶ寺 |
850ヶ社 |
25 |
滋賀県 |
3,070ヶ寺 |
1,443ヶ社 |
26 |
京都府 |
3,027ヶ寺 |
1,757ヶ社 |
27 |
大阪府 |
3,297ヶ寺 |
730ヶ社 |
28 |
兵庫県 |
3,215ヶ寺 |
3,857ヶ社 |
29 |
奈良県 |
1,784ヶ寺 |
1,390ヶ社 |
30 |
和歌山県 |
1,578ヶ寺 |
441ヶ社 |
31 |
鳥取県 |
456ヶ寺 |
825ヶ社 |
32 |
島根県 |
1,301ヶ寺 |
1,172ヶ社 |
33 |
岡山県 |
1,355ヶ寺 |
1,657ヶ社 |
34 |
広島県 |
1,704ヶ寺 |
2,783ヶ社 |
35 |
山口県 |
1,412ヶ寺 |
751ヶ社 |
36 |
徳島県 |
622ヶ寺 |
1,315ヶ社 |
37 |
香川県 |
868ヶ寺 |
801ヶ社 |
38 |
愛媛県 |
1,070ヶ寺 |
1,255ヶ社 |
39 |
高知県 |
356ヶ寺 |
2,171ヶ社 |
40 |
福岡県 |
2,250ヶ寺 |
3,410ヶ社 |
41 |
佐賀県 |
1,051ヶ寺 |
1,107ヶ社 |
42 |
長崎県 |
718ヶ寺 |
1,323ヶ社 |
43 |
熊本県 |
1,153ヶ寺 |
1,386ヶ社 |
44 |
大分県 |
1,219ヶ寺 |
2,124ヶ社 |
45 |
宮崎県 |
335ヶ寺 |
676ヶ社 |
46 |
鹿児島県 |
458ヶ寺 |
1,127ヶ社 |
47 |
沖縄県 |
60ヶ寺 |
13ヶ社 |
全国チェーンのコンビニの総数が、55,612店(平成29年3月時点)ですので、数字で見ると、いかに寺院、神社が多いのかが分かります。

しかし、日常生活では寺院・神社の数が多いと感じることはあまりありません。それほど私達の生活の中で、寺院、神社の建物が違和感なく日常の風景となっているのではと思います。
2.都道府県別のお寺、神社の分布比較


最も寺院数の多いのは、愛知県の4,566ヶ寺で、2番目の大阪府3,297ヶ寺に差をあけています。
また、平安・鎌倉・室町時代を通して時の権力者が、己の力を示すために大型寺院を建立していった事も大きな要因と思われます。
ただし、上記は現在の都道府県の区割りでの集計のため、北海道など広大な地域も1地域とされています。
神社に関しては、寺院に比べ福島県、関東甲信越地方と四国に集中傾向が見て取れます。
寺院数と神社数の差が大きい地域をピックアップすると、
【寺院の場合】
大阪府が 神社が730ヶ社に対し、寺院が4.5倍の3,297ヶ寺もあります。
同じく和歌山県でも 神社が441ヶ社に対し、寺院は3.6倍の1,578ヶ寺となっています。
【神社の場合】
高知県が 寺院356ヶ寺に対し、神社は6.1倍の2,171ヶ社にのぼります。
鹿児島県でも 寺院 458ヶ寺に対し、神社は2.5倍の1,127ヶ社となっています。
3.人口あたりの寺院・神社の密度が高い都道府県
寺院・神社はともに数百年前に建てられ、現在に至ります。
前述の「寺院・神社数」は、建立当時の地域繁栄度・人口数に比例していましたが、数百年を経た現代の人口比で寺院・神社の密集度を見てみると、いびつな点も見えてきます。


社会問題化している大都市圏への人口集中と、地方の人口流出・過疎化問題がハッキリと見て取れます。寺院様、神社様の維持存続には檀家様、氏子様が欠かせませんが、地方都市では少人数で寺院・神社を支えていることになっています。
逆に大都市圏では人口に対し、寺院・神社数が少なく、これがお墓などの問題ともなっています。
悠久の歴史を重ねる、寺院様、神社様。
変化がないようで、実は歴史の中で幾度となく変革を経て今日に至っています。
我々、社寺建築に従事する者も、寺院様、神社様をお守りすべく時代の変化に合わせ、柔軟に変革をしていかねばと、気の引き締まる思いです。
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