自然素材の屋根

神社などでは元々の考え方として、
人の手が加わった材料よりも自然の材料を
使用するのが好まれ、神社建築には瓦屋根よりも
「ひわだ葺き」や「こけら葺き」が多かったと言われます。
また壁も漆喰ではなく、板壁が使われていました。
現在はお手入れや耐久性なども考慮され、
銅板で模写した屋根が多くなっています。

 

茅葺き屋根

植物の茎を素材とした伝統的な屋根は、
茅葺の方法は、茅の根本を下に向けて葺く「真葺」と、
穂先を下にして葺く「逆葺」があります。
日本の茅葺屋根は「真葺」が一般的です。
逆葺は作業が容易で、薄く葺いても
雨仕舞いは良いのですが、耐久性が悪く、限られた建物にしか用いられていまないそうです。

茅葺き屋根の耐久性はだいたいススキやヨシで葺いた場合20年から30年と短くなります。
葺き替えのコストも技術や作業時間を要するため、高くなってしまいます。
また、材料の確保が難しく、職人も減ってきている為茅葺き屋根の建物は急激に減少しています。

少し寂しいような気もしますが、
時代の流れで、より最適な材料に変化していくのは
致し方ない事なのかもしれません。

 

檜皮葺き

ヒノキの樹皮が用いられる屋根工法です。
ヒノキを伐採するのではなく、
立ち木からむいた皮を用いる環境に優しい工法といわれます。
こちらもこけら葺き同様に少しづつ檜皮を
ずらしながら重ねて竹釘で固定します。
軒先を厚くみせて重厚感を出していきます。

カナメではこれらの自然でできた屋根材を銅板素材で再現しております。
(銅板カナメ一文字葺き)
自然素材だと耐久年数が短いので
定期的にメンテナンスが必要ですが、銅板など金属屋根は
屋根面のお手入れはメンテナンスフリーとなります。
伝統的な意匠は残しつつ、
メンテナンスの手間を減らしたいとい言う方は銅板屋根が最適となります。

こけら葺き

檜皮葺きに比べて更に目が細かい葺き方で
木材の薄い板を用いて施工する工法です。
こけらが最も薄い板となり、厚みは2~3ミリメートルです。
材料はヒノキ、スギ、サワラなど、削ぎやすく水に強い材木が用いられます。
板葺き材の固定には竹の釘が使われます。
職人さんは、口の中にたくさんの竹釘を含み、
口から1本1本すばやく出しながら板に竹釘を打ち付けて固定していきます。
屋根の上の不安定な足場で両手を使用し、
スピーディーに施工できるように効率化を考えてできた方法だそうです。

こけら葺きの耐久性は約40年ほど。
社寺の耐久年数を考えると、
何度かお手入れや葺き替えをしないとなりません。
最近では高耐久な銅板を使用して
こけら葺きを模写する方法が主流になってきています。
カナメでも多くの建物の銅板こけら葺きの工事をさせていただいております。

最近では更に耐久性が高いチタン屋根材で、こけらを再現した屋根工事を
箱根美術館様の建物で施工しました。
こけらの目の細かさを忠実にに再現致しました。
銅板は経年劣化で色が落ち着いていき、変化しますが、
チタンは色が変化しませんので、最初から落ちついたこけらの意匠を表現できます。

このように自然素材の屋根は、銅板やチタンの屋根に変化してきました。
カナメとしても自然の意匠は残しつつ、メンテナンスが容易な金属の屋根を
これからも普及させていきたいと思っています。