曳き舞、曳き屋について

毎日、ご住職様、宮司様と面談させて頂いている中で、
新築・改築ではなく、現在の建物を修復・復元して
蘇らせたい…というご要望を承ります。

神社仏閣の場合、積み重ねてきた長い歴史がありますので
それを後世に残すということは今を生きる私たちの使命でもあります。

ただ、経年で傾いてきてしまっていたり
歩くと床がきしんだりする場合は、基礎の改修が必要となります。

「基礎って建物の下部だし、一度解体しないと工事できないのでは…?」と
思われるかもしれませんが、解体せずに基礎の改修をする方法があります。

 

それは、「基礎と建物を切り離す」工事。
当社では『舞あげ』と呼んでいますが、
「曳家(ひきや)」「曳き舞」「家あげ」などと呼ばれることもあります。
(地域等で呼び方が異なるようです)

 

【①基礎と建物を切り離す】

古くからの建物の場合、基礎はとても簡単なものが多いのです。

礎石のうえに床束がそのまま乗っているものが多くありました。
現代のようにコンクリートやアンカーでしっかりと固められていないのです。

そのため、基礎と建物を切り離すのは案外、無理なくできるのです。

 

【②ジャッキアップの準備】

柱に鉄骨を括り付けます。
ジャッキアップするときに、建物の木材そのものを傷つけるのを防ぐためです。

 

【③ジャッキアップ】

少しずつジャッキアップします。

その際に、木材を下に滑り込ませ、支えます。
数十本を組み上げ、作業が出来る高さまでにします。

できあがった空間は1m以上。
小型のユンボ(パワーショベル)も入ります。

この状態で、地盤の改良やあらたな基礎打ち、床束の交換などを行います。

 

【④戻し作業】

作業が終わったら今度は戻す作業。
ジャッキで支えながらゆっくり木材を引き抜いていきます。

そしてあらたな基礎の上に乗せます。

【建物の移動】

境内にスペースがある場合は、
一度別の場所に移して作業を行うこともあります。

これは「曳き舞」「引き屋」と呼びます。
基礎を切り離したあと、ローラーが付いたレールで少しづつ移動させます。

もちろん、重量がありますので一気にごろごろとはできませんので
数センチずつ動かします。

 

「古いから建て替えしかない」と諦めずに、
是非ご相談ください。
長い歴史をつないできた伽藍の
修復保存のご希望にお応えできるような提案をさせて頂きます。