寺院の屋根に使われる屋根材

お寺の本堂で良く使用される屋根材について
歴史的背景とあわせて解説いたします。

 

■銅板屋根

屋根に初めて銅が使われたのは、天平時代(765年)奈良の西大寺という
記録があります。(七台寺巡礼私記)建物は現存しておらず、
今となっては見ることができないのが残念です。
銅自体は弥生時代頃から銅剣や銅鏡・貨幣(和同開珎)などに使用されていました。

東大寺大仏が749年に建立され、銅の精錬・鋳造技術は進んでいたとされますが、
銅を薄くのばす技術が難しく、本格的に銅屋根が見られるようになるのは江戸時代頃から。
明治時代には銅を大量に加工・伸銅する技術が進歩して、銅屋根も多く作られるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

■瓦屋根

現在では、瓦屋根というと日本の伝統的な屋根と思われがちですが、
飛鳥時代に中国より寺院建築の技術と共に伝来しました。

当時の「瓦」といえば「本瓦葺き」。
丸瓦と平瓦を組み合わせる方法が一般的でした。
重くて重厚感があり、民家では耐震面で使えず、仏閣や城郭に使用されることが主でした。

ちなみに民家で瓦が普及し始めたのは江戸時代の大火の後、瓦が奨励され助成金が出されたり、
画期的な軽量「桟瓦」が開発されてからのことです。

 

■檜皮葺き

檜の皮である檜皮(ひわだ)を少しずつずらしながら重ねて葺いていきます。
668年に滋賀県の崇福寺(現在は廃寺)が檜皮葺きでだったという記録が最古の物であるそうです。
貴族の私邸では檜皮葺きが多く使われていました。
瓦の伝来当初は瓦葺きが最も格式が高い技法でしたが、
平安時代以降は檜皮葺きが屋根工法の中でももっとも格式の高い技法となりました。
国宝・重要文化財に指定されている建物で檜皮葺きは700棟あまりになります。

 

植物素材では檜の樹皮を用いる「檜皮葺き」、薄い木材を用いる「木板葺き」などもあります。

 

■トタン屋根(金属屋根)

本格的に民家で「金属屋根」が増えたのは明治維新以降、
鉄道の普及と共にでした。
蒸気機関車が走る沿線に建つ家屋の火災防止の目的で、

不燃性の材料で屋根を葺くことが規定されました。
その後、関東大震災などで瓦屋根の弱さが認識され、
屋根を亜鉛鉄板(トタン板)で葺くことが広がっていきました。
「トタン屋根はサビやすく、ペンキ塗りが必要」というイメージがありますが、
現在はカラー鋼板やガルバリウム鋼板といった耐久性のある素材が主流となっています。

 

 

■茅葺き屋根

古来の屋根の多くは「草葺き」でした。木材を組み合わせ家の骨組みを作り、
その上から土や葦、ススキなどの植物で屋根を作っていました。
これが茅葺き屋根の始まり、日本の住宅の原点とも言えるのではないでしょうか。
茅葺きなどの植物素材の屋根では火を防ぐ役目はありません。
現在では、原材料である茅が入手困難であったり、施工できる職人が少なくなってきており、
茅葺き屋根の維持管理が大変になり、年々減少傾向にあります。
茅葺き屋根のメンテナンス方法としては
上から金属屋根を被せる、または茅を撤去したのちに金属屋根を葺くという方法があります。

 

■チタン屋根

チタン屋根は軽量かつ高耐久、いぶし瓦と変わらない意匠がゆえに
近年、伝統建築で採用されています。チタンは1970年代から建材に使われていました。
外壁材、屋根材また柱、また塩害にも強いため橋梁などにも採用されています。
当社では、1990年代頃からチタン屋根を施工しています。
お客様のご要望から、5年の開発期間を経て2006年にチタン成型瓦を世界で初めて発売。
100件以上の寺院・神社様にご採用頂いております。

 

チタン瓦本体は瓦の約20分の1の重さで、地震の際にもずれたりする心配がありませんので地震対策、安全対策でご採用いただいております。