瓦の産地

日本の建築に欠かせない「 瓦 」

古くは神社仏閣、城郭、貴族の館、
その後、一般家庭に広く浸透していきました。

現代のように物流網が整っていない時代ですから、
重量の重い瓦は、地産地消として、各地で製造されてきました。

 

その中でも代表的な3大産地として、

【 三州瓦(愛知県西部)】

現在では国内の瓦生産の7割以上占める、三州瓦。生産地である愛知県西部の旧名「三河」の別名である「三州」から名付けられました。
日本の東西の中心で、気候風土も平均的な事からどの地域でも汎用的な瓦として重宝されています。
また、東にも西にも物流が良かった点も産地としても発展した大きな要因と考えられています。

 

【 淡路瓦(兵庫県淡路島)】

瓦づくりで最も重要な要素である土、
淡路島ではいぶし瓦に適した粒子の細かい独特の「なめ土」が産出されたことから全国有数の瓦の産地となりました。
その質の高い「いぶし瓦」は各地に出荷され、全国一位の生産量を誇ります。

 

【 石州瓦(島根県西部)】

石見(いわみ)の別名、「石州」の名を冠する、石州瓦。日本海に面する島根県西部地域(大田市、江津市、浜田市、益田市)で作られる瓦の総称です。
独特の赤褐色の「来待(きまち)瓦」でも有名な石州瓦。石州来待瓦は、釉薬にたたら場(製鉄所)で出た砂鉄を釉薬に調合して作られました。高温で焼成されるため、寒冷地の凍害に強いのが特長です。

 

以上の3つが有名ですが、瓦(粘土瓦、陶器瓦、素焼き瓦など)は日本全国の各地で古くから制作され、各地の気候風土にあわせた、特長があります。

粘土瓦の発祥は古代インドとされ、仏教の広がりと共に、中国大陸、朝鮮半島を経て、日本には6世紀末の飛鳥時代に伝わったとされます。その後しばらくは神社仏閣、城郭での使用が中心でしたが、江戸時代中期毎から住宅にも瓦が普及するようになり、各地での瓦製造が一気に増えていきました。

古代では原料の土以外にも形状や製造法で、各産地の特色がありましたが、近代以降では各長所を互いに取り入れ、産地毎の大きな違いはなくなっています。ただし、伝統工法においては工事方法で、地域・産地毎の違いが残っています。

 

 

全国の瓦の主な産地

上記の三州瓦、淡路瓦、石州瓦以外にも代表的な産地や総称として、以下の瓦があります。

・京都瓦/京瓦(京都府)

・関東瓦(埼玉、茨城、栃木、群馬)

・遠州瓦(静岡県)

・美濃瓦(岐阜県)

・能登瓦(石川県)

・奈良瓦(奈良県)

・安芸瓦(高知県)

・菊間瓦(愛媛県)

・越前瓦(福井県)

・明石瓦(兵庫県)

・沖縄瓦(沖縄県)

 

初期の瓦は、仏教と共に伝来したこともあり、寺院の多かった西日本が産地の中心でした。また、当時の瓦が雪に対する耐性(雪落ち・積雪荷重)や、凍害(瓦の隙間に入り込んだ水分が凍結により膨張し、瓦の割れを引き起こす)などの背景から、関東以北には大きな産地はありませんでした。

しかし、今日では加工技術・原料の改良により東北地方でも多くのすばらしい瓦が生産されています。