建築様式で見る、神社と寺院の違い

日本の伝統建築である「社寺建築」

文字通り「神社」と「寺院」の建築様式の総称ですが、
共に日本で進化した独特の様式美を持ちながら
似て非なる、それぞれの美しさ・特長を持ちます。

寺院の山門、神社の鳥居

寺院の仁王像、神社の狛犬

寺院の御本尊、神社の御神体

 

その他にも寺院と神社では様々な違いがございますが、
今回は、お寺と神社の建築上の違いを紹介させて頂きます。

※各社寺や宗派、地域により違いもございますので、あくまでも一般的な事例です。

 

一目でわかる違い「屋根」

寺院の屋根

寺院建築は中国大陸から伝来した由来から、同じく大陸由来の「瓦」による荘厳な屋根が大きな特長です。中世以降は寺院の建築様式が多様化して、瓦だけでなく銅屋根でも重厚感のあるたたずまいの意匠が発展してきました。

 

神社の屋根

対して、神社では茅(かや)、檜(ひわだ)、柿(こけら:ヒノキ板をうすく剥いだ板)など、自然由来の材料で屋根が作られ、現代においてもその影響は色濃く残っています。

そのため、屋根の形状も寺院に比べシンプルでありながら、その表面は屋根材が細かく緻密に形成されています。

また、神社屋根の特徴的な部位として千木(ちぎ)、堅魚木(かつおぎ)があげられます。

 

 

寺院建築の進化

時代別の様式として代表的な3様式

「1.和様(わよう)」、「2.大仏様(だいぶつよう)・禅宗様(ぜんしゅうよう)」、「3.新和様(しんわよう)」の3つの形式があります。

 

和様とは
中国大陸から伝わった寺院建築が、平安時代頃を境に日本の四季、気候風土、地震などにあうように洗練・進化した様式です。

 

大仏様・禅宗様とは
鎌倉時代に奈良の東大寺の大仏殿・南大門再建の際に、改めて中国大陸から伝わった建築様式とされます。特長の一つである「貫(ぬき)」の多様による建物の堅牢化は、その後の社寺建築に大きな影響をあたえました。大仏様・禅宗様は確立された時代が近く、共通点が多いため併記されています。

 

新和様とは
鎌倉時代に生まれた大仏様・禅宗様は、元来の平安時代以降の和様に大きな影響をあたえ、変化した和様を「新和様」と総称しています。また、寺院の建築文化の発展にあわぜ、日本庭園の様式美もより洗練されいきました。

 

 

 

神社建築の進化

屋根以外の寺院との違いは「鳥居」という、神社特有の建造物があげられます。ただし、神仏習合により、鳥居を持つ寺院、鳥居のない神社も多く存在します。

神社建築の代表的な様式としては、「1.神明造り(しんめいづくり)」、「2.大社造り(たいしゃづくり)」、「3.権現造り(ごんげんづくり)」のほか、「流造り」「春日造り」などがあげられます。

 

神明造りとは
穀物を保管する高床式倉庫から発展した建築様式で、伊勢神宮が有名です。千木と堅魚木が特長であり、両国国技館の土俵の上に吊り下げられている屋根も神明造です。

 

大社造りとは
宮殿が原型とされ、弥生時代の遺構と建築様式に類似点が見て取れるなど日本最古の建築様式といわれています。代表的な建物に出雲大社があげられ、屋根に反りがあり、優麗な外観形状が特長です。

 

権現造り
仏教建築の影響を受け、本殿と拝殿「石の間」で一体化している建築様式です。名前の由来は久能山東照宮・日光東照宮が祀る東照大権現(徳川家康)とされています。

また、神社では近隣の森や湖、山をひろく鎮守の杜として自然そのものを神聖視して祀られてきました。