施工事例円通寺様新築
未来へ響く鐘楼を一から
工事内容
- 鐘楼新築
- 臨済宗妙心寺派 円通寺様
- 広島県庄原市
大きく傾いてしまった鐘楼
伝統を継承していくための調査
円通寺様は中世にこの地方を治めていた山内首藤氏の菩提寺で、本堂と厨子は国の重要文化財に指定されています。
カナメが関わらせていただいたきっかけは2022年の雪深い12月。一本のお電話から始まりました。
「鐘楼が大きく傾いており、改修をしたい」
とご連絡を頂きました。
実際に調査を行ってみると鐘楼の構造に大きく影響を与える組み物である二手先の組み物が正しく組まれておらず、屋根の重量を支えるには不十分なものだと分かりました。このままでは地震の際の耐力に問題が出てしまいます。
実際に部材は大きくつぶれ屋根が傾いておりました。
改修から新築へ
昔ながらの姿を残したいとの思いもあり、予定通りに改修を考えられておりましたが、既存の形状を踏襲した場合柱以外のすべての木材を交換する必要があり、ご予算を大きく超えることになってしまいます。
それから何度も協議を重ね、檀家様をはじめ、皆様にご協力いただきながら改修ではなく、新築することになりました。
生まれ変わり伝統を繋いでいく工事
既存鐘楼を解体。
その後基礎工事から鐘楼を新しく新築致しました。
こうして新たに生まれ変わった円通寺様の鐘楼は、現代の技術をもって安全性を高め地震にも耐えうる堅牢な造りとなりました。
荘厳な姿を保ちながらも、次の世代へと安心して受け継がれていく存在です。
皆様のご協力により、この地に再び力強く鐘の音が響き渡ります。
伝統の継承と未来への備え、その両輪が、今まさにこの鐘楼に息づいています。