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  2. カナメのチタン屋根 開発秘話


「本瓦葺き」は伝統的な屋根の形状です。当社では瓦より軽い金属屋根、特に銅屋根でその形状を再現しようと取り組んできました。しかし、近年は銅板も一部条件下で腐食が見え始めており、もっと耐久性のよい素材を求める声が多く寄せられていました。
チタンは以前から屋根材として注目はしていましたが、硬いため加工が困難でした。折り曲げ加工をしても元の形に戻ろうとする力が働いてしまい、製品の形が歪んでしまう現象が起きました。具体的にどの程度曲げれば目標とする形状になるかが検討もつかず、試行錯誤の毎日でした。
また、どうしても皺や「切れ」が発生してしまう問題に直面しました。何度も金型を作りかえながら、何とか伝統的な美しい形状を再現できないかと試作と失敗の繰り返しでした。
どうしても皺や「切れ」が発生してしまうので何度も金型をつくりかえた。(右写真)▲どうしても皺や「切れ」が発生してしまうので何度も金型をつくりかえた。(右写真)
 
 
 
 
 
 

カゼをひく者が続出で作業中断も危ぶまれた。▲カゼをひく者が続出で作業中断も危ぶまれた。今までの本瓦は、それ自体で雨漏りを防ぐ機能はなく、屋根下地材で雨漏りを防いでいました。ところが、この製品は、過酷な水密試験を繰り返しながら何度も設計を見直したことで、製品自体で高い水密性能をもつことができました。
会津の厳しい冬の中で凍える手に息を吹きかけながら、連日遅くまで試作した屋根に送風機とシャワーで激しい風雨を再現する試験を繰り返しました。
 

意気は揚がるが焦りも大きかった。▲意気は揚がるが焦りも大きかった。多くの問題と苦闘を続けた為に、完成予定日が大幅に遅れ、販売計画を大幅に狂わせる事態になりました。しかし営業は、サンプルなしの営業を開始しました。そんな中、浅草寺様の工事が決定したのです。開発チーム内に大きな喜びがわき起こったと同時に、完成のめどが立っていなかった為、「果たして間に合うのか」と焦りも大きくなりました。
 

どうしても作業が行き詰まり、ついには製品形状を変更する声も出てきましたが、伝統的な本瓦の形状を再現することにこだわりたい。そんな中で「もっとチタン材を柔らかくできないか」という相談を新日本製鐵㈱の技術者に持ちかけました。ほぼ完成しかかっている金型を見た彼は、「難しいかもしれないが、この努力を無駄にしたくない」と協力を約束してくれたのでした。そして、何種類か熱処理の条件を変えたチタン材が用意され、プレス機にかけると、きれいに成型された製品ができ、工場内に歓声が沸き起こりました。

更に施工性を改良し、取り付け作業をスムーズに。 ▲更に施工性を改良し、取り付け作業をスムーズに。 加工性が改良されたとはいえ、現場の職人の手によって叩いたりのばしたりする板金加工は困難なので、チタン専用の工法を開発する必要がありました。そこで新製品開発部の技術顧問である現代の名工、星正申が中心となり、現場加工を極力なくし屋根上で組み付けるスライド式の新工法を確立させました。
 

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